捻挫(ねんざ)

捻挫(ねんざ)とは、外力がかかることにより、関節を支えている靭帯や関節包などの軟部組織や軟骨組織を損傷したものをいいます。
損傷は、靭帯が伸びたものをⅠ度損傷、一部断裂したものをⅡ度損傷、完全断裂したものをⅢ度損傷とし、関節の脱臼や骨折は含まれません。

足関節捻挫

最もポピュラーな捻挫の一つです。
足関節は、足関節を内側に捻って起こす「内返し捻挫」が多いです。外くるぶし側の靱帯(特に前距腓靭帯)を損傷し、外くるぶしの前側や下側が腫れ、押すと痛みがあります。痛みが強いと荷重痛(体重をかけると痛む)や歩行痛があります。
内返し捻挫と同じような発生機序で、足の甲の「リスフラン関節」や「二分靱帯」を損傷することあります。
また、外側に捻る「外返し捻挫」の場合、内くるぶしについている三角靭帯を損傷します。やはり、内くるぶしの下側を中心に腫れて、痛みます。

膝関節捻挫

膝関節は靭帯も強く、スポーツ外傷や交通事故などで大きな力が関節に加わって捻挫を起こします。
膝関節捻挫は、靭帯や軟骨の単独損傷は非常にまれで、外力の強さによりますが複数の組織が損傷されることが多く、回復に時間がかかることが多いです。
最も多いのが、膝の外側が反るように内側に入ってしまう「外反捻挫」です。膝の内側の内側側副靭帯を損傷します。膝の内側が腫れて、外側から内側へストレスを加えると痛みが強くなります。屈伸痛や歩行痛を伴うことが多いです。
逆に外側へ反ってしまう「内反捻挫」では、外側側副靭帯を損傷します。
また、大腿骨に対して脛骨が前方に出るような外力が加わると「前十字靭帯」を、後方に外力が加わると「後十字靭帯」を損傷します。
膝関節には、「半月板」という軟骨組織があります。これは、大腿骨と脛骨の間でクッションの役割をしたりしています。外反や内反に捻りが加わると損傷しやすいです。また、加齢により、軟骨が変性してしまうので、40歳以上の方は、軽微な外傷でも損傷することがあります。

手関節捻挫

手関節の靱帯は比較的強力なため、損傷は少なめです。手関節を手の甲側に曲げて捻り、手首の掌側の掌側橈骨手根靭帯や月状有頭骨靭帯が損傷される「背屈(はいくつ)捻挫」、掌側に曲げて背側橈骨手根靭帯を損傷する「掌屈(しょうくつ)捻挫」、小指側に曲げて捻り、橈骨手根関節の単純捻挫や長母指外転筋、短母指伸筋の腱・腱鞘損傷を起こしたものは親指の付け根が痛くなります。逆に小指側の尺側手根靭帯やTFCC(三角性軟骨)損傷では、小指側が痛みます。どちらも「尺屈(しゃっくつ)捻挫」になります。
特に、TFCC損傷では痛みが長引きやすいです。

肘関節捻挫

膝関節と同様に「外反捻挫」による内側側副靭帯損傷と「内反捻挫」による外側側副靭帯損傷に分けられます。

指の捻挫

指の関節、第1関節(DIP:distalinterphalangeal joint)、第二関節(PIP:Proximal Inter Phalangeal joint)、中手指節間関節(MP:metacarpal phalangeal joint)の捻挫をいいます。
各関節とも内側側副靭帯、外側側副靭帯があります。

「つき指」との違いと聞かれることが多いのですが、つき指とは発生機転であって、つき指をした結果で「捻挫」「脱臼」「骨折」を起こします。
つき指は大したことないと考えずに専門施設にご来院ください。
捻挫を放っておくと
捻挫は関節を支える靱帯などを損傷するので、放置してしまうと関節の安定性が低下し捻挫をしやすくなってしまいます。更に頻繁に捻挫を起こすと軟骨がすり減りやすくなり関節の変形を起こしやすくなります。最初は軽微な捻挫でも治療をおろそかにすると、繰り返し捻挫をしやすくなったり、変形性関節症の原因になります。しっかりと治療をするようにしてください。

おおの鍼灸整骨院の捻挫治療

捻挫の治療の大原則はRICE(ライス)です。
R:Rest(安静)
I:Icing(冷却)
C:Compretion(圧迫)
E:Elevation(高挙)
です。

おおの鍼灸整骨院では、捻挫時に歪んだ関節のアライメントをそろえて関節の安定性を高め、高挙しながら冷やすことで炎症と腫脹をひかせます。十分にIcingした後は、テーピングや圧迫包帯にて固定して安静を保ちます。
受傷直後の痛みの強い急性期は「ハイボルテージ」や「超音波治療器」という最新の治療機を使い除痛を行います。また各関節周りには様々な筋肉や腱があり、それを覆う筋膜が緊張してしまうことで、損傷部に負荷が大きくなるので、症状に応じて筋膜調整のために鍼や灸を行い筋・筋膜の緊張を緩めて、できるだけ早期回復を促し、日常生活や競技に早期復帰できるようにしています。
捻挫をしてしまった時は、自己判断せずにおおの鍼灸整骨院にご相談ください。